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『六条さんのアトリビュート』はTVアニメ化したらNHKEテレで毎週火曜日午後2時に放送してほしい。

どうも、ご無沙汰しています。岩崎いずみです。
久々のブログ更新かつ、なんだこのタイトル記事!?って思うかもしれませんが、
単行本感想の記事です。
現在、私の中ではかなりきている作品であり、最近イベントに参加してモチベーションも回復傾向にあり、「書きてぇ・・・超書きてぇ・・・書かなきゃ(語彙力)」状態となってしまったため、発売から既に3ヵ月たってはいますが、記事作成に至りました。

※以下、本編のネタバレ注意です。
『六条さんのアトリビュート』は、セトユーキ先生による、『まんがタイムきららMAX』で絶賛連載中の4コマ作品です。
2021年3月26日に単行本1巻が発売されました。
以下、簡単なあらすじです。


とある理由で美大に行かなければならない高校生の一宮このみ(いちみやこのみ)は、指導を受けている美術教師から、自分の描いた絵に強みがないと言われてしまいます。
そんな中、母親による突然の転勤により、ボロボロのアパートに住むことになったこのみは、幽霊の六条(ろくじょう)に出会います。出会って間もなく豊富な美術知識を教えてくれる六条さんに、先生になってほしいと頼んだこのみは、六条さんからさまざまな美術の知識、雑学を学びながら、絵の上達に向かって歩んでいく・・・という、かわいく奇妙で、そして知ってるとためになる情報満載な美術教養4コマ作品です。


以下、キャラの簡単な紹介です。

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一宮このみ(いちみやこのみ):この作品の主人公で女子高生。とある理由で美大に行かなければならず、強みのない自分の絵をなんとかしたいと思っている。しっかり者で、周囲のキャラによく振り回されている。
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六条(ろくじょう):このみが引っ越してきたボロボロのアパートの部屋にいた幽霊。通称六条さん。白い髪と赤い目、セーラー服が特徴で、壁をすり抜けることが出来る。表情をあまり変えない。どこか抜けており、ご飯に対しては目がない。美術知識や雑学をよく知っており、スイッチが入ると語りが止まらなくなる。
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双石(くらべいし):このみの部屋の隣人。幽霊である六条が苦手であり、常に怯えている。自分の部屋には、六条対策の魔除け物を置いている。このみが思わず引いてしまう程の不幸体質。
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シャーロット・グレイス・トリプレト:このみのアパートの住人でイギリス人。通称シャーロット。このみが引っ越してきた時は国に帰っていていなかったが、戻ってきた。ゴーストを研究しているマニアであり、六条を研究しようと彼女に積極的に近付いているため、六条にとって苦手な存在になっている。
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のの:このみの友人。ホラー好きでテンションが高い。このみのことをみや子と呼んでいる。
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ゆづ:このみの友人。ののと違って落ち着いており、ホラーが苦手。いつもののに振り回されている苦労人だが、彼女のことを放っておけない。
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美術教師:学校でこのみの絵に対して指導したりアドバイスをしてくれる教師。本名は明かされていないが、ののからチカちゃん先生と呼ばれている。
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画材屋の店主:このみの家の近くにある画材屋の店主。六条のことを知っており、彼女のことが大好き。六条が欲しいと思っている画材を翌週には手に入るように発注している。
まず、この作品を語る上で外せない特徴は何かというと、圧倒的な美術知識、雑学の量です。
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美術オタクな幽霊である六条さんは、ことあるごとにこのみちゃんに対して美術知識や雑学を教えてくれますが、
これらの4コマからでも分かるように、情報量がよくあるきらら4コマ作品の域を越えています。
美術に関する4コマ作品は、『ひだまりスケッチ』『GA 芸術科アートデザインクラス』などいろいろと世の中には存在していますが、美術知識・・・特に西洋美術に関する知識にフォーカスを当てている部分は非情に抜き出ていると思います。
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高校の地理Bの教科書だの地学の教科書だのに載っててもおかしくないのでは。
明日の天気が雨で憂鬱になっているこのみちゃんに対し、スイッチが入った六条さんによる水不足に関するトーク・・・。漫画を読んでいるというよりも、教科書を読んでいるという感覚になる人も多いと思います。

そしてこれは話と話の間の描きおろしページ、そして最後の文献ページなんですが・・・
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やっぱり教科書ですよね?
正直、こういうページには簡単なイラスト描きおろしというパターンが多いのですが、この圧倒的情報量・・・流石の一言だと思っていますし、何より・・・
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非常に・・・分かります・・・。
色の無いページで色を語るには無理がある、個人的にはグッと印象に残る一文でした。

仮にもし、この作品がTVアニメ化した場合、普通の民放テレビ局というより、(NHK高校講座的な意味で)NHKEテレで毎週火曜日午後2時くらいから放送してほしいです。(タイトル回収)
そして欲を言うなら、彼女たちが出る本格的な美術史教科書が読みたいです。
・・・とここまで、作中における圧倒的な美術知識、雑学の量に焦点を置いて書きましたが、それだけでなく、このみちゃんの絵に対する自信、向き合い方の変化も忠実に描かれていました。
絵に強みがないと言われたこのみちゃんは、最初は絵に対する不安が強かったものの、六条さんからのさまざまな教えを受けることで、ただの絵の練習ではなく、自分から描きたい絵を描き、そして絵のコンクールにも自分から出すという目に見えた成長が描かれている姿に、応援したくなる読者も多いのではと思いました。
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特に、絵のコンクールに出すと決めたコマではその成長が引き立って見えるのではないかなと思います。
また、このみちゃんが美大に行かなければならないという根本的な理由が1巻終了段階では明確になっていないため、
その理由についても、とても気になるところです。
他にも、謎な部分としてはあげられることとしては、キーパーソンである六条さんの存在ですね。
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こういった部分は見ていて幽霊だなと思えるのですが・・・、
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このみちゃん始めいろいろな人に姿が見えていること、足があること、そして見た目も赤い目と白髪を除けば、美術オタクなごく普通のセーラー服を着た女子学生ってことで、とても幽霊らしくない幽霊と言えるのではないでしょうか。
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まぁ本人は幽霊じゃないといわれてあまり気分は良くないようですが・・・。
六条さんの過去などを含め、先述のこのみちゃんの美大に行く理由と同じく明らかになってないところは1巻の時点では盛り沢山なので、これからの展開に注目したいと思います。
好きな話や気に入った話は数多くありますが、特に印象に残った話は、このみちゃんと六条さんが美術展に行く話です。
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双石さんから頂いたチケットで美術展に行く2人でしたが、
美術館でしっかりと作品を見るのが初めてでかつ、六条さんに教えてもらいたいと思っているこのみちゃんに対し、
仕方ないと思いつつも淡々と説明していく六条さんの姿が描かれていました。
この話では印象派(19世紀後半のフランスに発した絵画を中心とした芸術運動)にスポットを当てていましたが、
その圧倒的な情報量の多さ、また美術館、美術展の良さがはっきりと強く伝わってくる話でした。
それだけでなく、このみちゃんの後々の成長へとつながる絵画コンクールのきっかけ、そして物語の伏線ともとれる、
六条さんの意味深なワンシーンなど
も印象に残りました。
この話の後には、描き下ろしとして印象派について一歩踏み込んだ補足もついていますが、
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うん、やはり教科書だ。
また、このみちゃんが六条さんと外に出て風景画を描く話については・・・、
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親切。そして単行本ではこのページをカラーでは読めない悲しみ。
こういう表現はわりと珍しいと感じました。
雑誌掲載時ではセンターカラーだったため、パッと色も分かりましたがこれはやむを得ないですね・・・。
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終盤で、夕日を見る六条さんの姿を彼女に内緒で撮るこのみちゃんのシーンが描かれていますが、
その姿にどこかスッと引き込まれる人も多いのではないかなと感じました。
個人的に好きなキャラは、六条さん、そして双石さんです。
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六条さんは美術知識を繰り広げるところは勿論、どこか気の抜けたところが癒しで特に好きだなぁと思います。
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悪い幽霊では絶対ないですよね。かわいい。
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また、双石さんですが、常に怯えていて、苦手な六条さんに対し驚いたりする姿もとてもかわいいです。
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この、きらら作品の中でもかなり上位に入る不幸体質。
これは庇護欲掻き立てられます。
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また、カバー裏には、動物が好きでもないのに猫が寄り付いてくる双石さんにスポットを当てた描き下ろし4コマが描かれていますが、
そこでも彼女のかわいさが引き立っていたと思います。そして、『くらくら双石さん(仮)』という妙に印象に残るタイトルもポイントです。
ここまで、作品の中身についていろいろ触れてきましたが、
最後にこの1巻の表紙について。
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最初この表紙を見た時、とても額縁に飾りたいレベルの表紙だなとすごく思いました。
絵画からにゅっと出てくる六条さんの構図もですし、塗りの重厚感がとても素晴らしいです。
きららMAXの表紙をいつか飾って欲しいという気持ちだけでなく、美術館で飾られている大きな一枚の絵画として見てみたいという気持ちがありました。
それこそ、まんがタイムきらら展で飾ってほしいなと思うぐらいです。
もし本当にきらら展に出るようであれば絶対見に行きますし、イラスト関連のグッズは買います。必ず。

皆さんも、かわいくて奇妙な六条さんたちと一緒に、美術の世界を学んでみませんか?

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岩崎いずみ

Author:岩崎いずみ
まんがタイムきらら系など定期購読中。
その他萌え4コマを中心に読んでる人間です。
他の4コマも勉強中。
画像は若鶏にこみ先生に描いてもらいました。
よろしくお願いします。

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